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〘1544㌻〙

第1章

1 ヱホバの言ことばアミタイの子こヨナに臨のぞめりいはく 2 起󠄃たちてかの大おほいなる邑まちニネベに往󠄃ゆきこれを呼よばはり責せめよ そは其その惡あくわが前󠄃まへに上のぼり來きたればなりと 3 然しかるにヨナはヱホバの面かほをさけてタルシシへ逃󠄄のがれんと起󠄃たちてヨツパに下くだり行ゆきけるが機をりしもタルシシへ往󠄃ゆく舟ふねに遇󠄃あひければその價値あたひを給あたへヱホバの面かほをさけて偕ともにタルシシへ行ゆかんとてその舟ふねに乘のれり

4 時ときにヱホバ大風おほかぜを海うみの上うへに起󠄃おこしたまひて烈はげしき颺風はやて海うみにありければ舟ふねは幾ほとんど破やぶれんとせり 5 かかりしかば船󠄄夫ふなびと恐おそれて各おの〳〵おのれの神かみを呼よび又󠄂また舟ふねを輕かろくせんとてその中うちなる載荷つみにを海うみに投なげすてたり 然しかるにヨナは舟ふねの奧おくに下くだりゐて臥ふして酣睡うまいせり 6 船󠄄長ふなをさ來きたりて彼かれに云いひけるは汝なんぢなんぞかく酣睡うまいするや起󠄃おきて汝なんぢの神かみを呼よべあるひは彼かれわれらを眷顧󠄃かへりみて淪亡ほろびざらしめんと 7 かくて人衆ひと〴〵互たがひに云いひけるは此この災わざはひの我儕われらにのぞめるは誰たれの故ゆゑなるかを知しらんがため去來いざ䰗くじを掣ひかんと やがて䰗くじをひきしに䰗くじヨナに當あたりければ 8 みな彼かれに云いひけるはこの災禍わざはひなにゆゑに我われらにのぞめるか請󠄃こふ吿つげよ 汝なんぢの業げふは何なになるや 何處いづこより來きたれるや 汝なんぢの國くには何處いづこぞや 何處いづこの民たみなるや 9 ヨナ彼等かれらにいひけるは我われはヘブル人びとにして海うみと陸くがとを造󠄃つくりたまひし天てんの神かみヱホバを畏おそるる者ものなり 10 是こゝに於おいて船󠄄夫ふなびと甚はなはだしく懼おそれて彼かれに云いひけるは汝なんぢなんぞ其その事ことをなせしやと その人々ひと〴〵は彼かれがヱホバの面かほをさけて逃󠄄のがれしなるを知しれり 其そはさきにヨナ彼等かれらに吿つげたればなり 11 遂󠄅つひに船󠄄夫ふなびと彼かれにいひけるは我儕われらのために海うみを靜しづかにせんには汝なんぢに如何いかがなすべきや 其そは海うみいよいよ甚はなはだしく狂蕩あれたればなり
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12 ヨナ彼等かれらに曰いひけるはわれを取とりて海うみに投なげいれよ さらば海うみは汝等なんぢらの爲ために靜しづかにならん そはこの大おほいなる颺風はやての汝等なんぢらにのぞめるはわが故ゆゑなるを知しればなり 13 されど船󠄄夫ふなびとは陸くがに漕こぎもどさんとつとめたりしが終󠄃つひにあたはざりき 其そは海うみかれらにむかひていよいよ烈はげしく蕩あれたればなり 14 ここにおいて彼等かれらヱホバに呼よばはりて曰いひけるはヱホバよこひねがはくは此人このひとの命いのちの爲ために我儕われらを滅亡ほろぼしたまふ勿なかれ 又󠄂また罪つみなきの血ちをわれらに歸きし給たまふなかれ そはヱホバよ汝なんぢ聖󠄃意みこころにかなふところを爲なし給たまへるなればなりと 15 すなわちヨナを取とりて海うみに投なげ入いれたり しかして海うみのあるることやみぬ 16 かかりしかばその人々ひと〴〵おほいにヱホバを畏おそれヱホバに犧牲いけにへを獻さゝげ誓願せいぐわんを立たてたり〘1182㌻〙

17 さてヱホバすでに大おほいなる魚うをを備そなへおきてヨナを呑のましめたまへり ヨナは三日三夜みつかみよ魚うをの腹はらの中なかにありき

第2章

1 ヨナ魚うをの腹はらの中なかよりその神かみヱホバに祈禱いのりて 2 曰いひけるは われ患難なやみの中うちよりヱホバを呼よびしに彼かれわれこたへたまへり われ陰府よみの腹はらの中なかより呼よばはりしに汝なんぢわが聲こゑを聽きゝたまへり 3 汝なんぢ我われを淵ふちのうち海うみの中心もなかに投なげいれたまひて海うみの水みづ我われを環󠄃めぐり汝なんぢの波濤なみと巨󠄃浪おほなみすべて我わが上うへにながる 4 われ曰いひけるは我われなんぢの目めの前󠄃まへより逐󠄃おはれたれども復また汝なんぢの聖󠄃殿きよきみやを望󠄇のぞまん 5 水みづわれを環󠄃めぐりて 魂たましひにも及およばんとし淵ふち我われをとりかこみ海うみ草くさわが頭かうべに纒󠄂まとへり 6 われ山やまの根基ねもとにまで下くだれり 地ちの關木くわんぬきいつも我わがうしろにありき しかるに我わが神かみヱホバよ汝なんぢはわが命いのちを深ふかき穴󠄄あなより救すくひあげたまへり 7 わが靈魂たましひ衷うちに弱󠄃よわりしとき我われヱホバをおもへり しかしてわが祈いのりなんぢに至いたりなんぢの聖󠄃殿きよきみやにおよべり 8 いつはりなる虛むなしき者ものにつかふるものは自己おのれの恩めぐみたる者ものを棄すつ 9 されど我われは感謝󠄃かんしやの聲こゑをもて汝なんぢに獻祭ささげものをなし 又󠄂またわが誓願せいぐわんをなんぢに償はたさん 救すくひはヱホバより出いづるなりと 10 ヱホバ其その魚うをに命めいじたまひければヨナを陸くがに吐はき出いだせり
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第3章

1 ヱホバの言ことばふたゝびヨナに臨のぞめり 曰いはく 2 起󠄃たちてかの大おほいなる府まちニネベに往󠄃ゆきわが汝なんぢに命めいずるところを宣のべよ 3 ヨナすなはちヱホバの言ことばに循したがひて起󠄃たちてニネベに往󠄃ゆけり ニネベは甚はなはだ大おほいなる邑まちにしてこれをめぐるに三日みつかを歷ふる程󠄃ほどなり 4 ヨナその邑まちに入いりはじめ一日路いちにちぢを行ゆきつつ呼よばはり曰いひけるは四十日にちを歷へばニネベは滅亡ほろびさるべし

5 かかりしかばニネベの人々ひと〴〵神かみを信しんじ斷食󠄃だんじきを宣ふれ大おほいなる者ものより小ちひさき者ものに至いたるまでみな麻󠄃あさ布ぬのを衣きたり 6 この言ことニネベの王わうに聞きこえければ彼かれ 位くらゐより起󠄃たち朝󠄃服󠄃てうふくを脱ぬぎ麻󠄃布あさぬのを身みに纒󠄂まとふて灰󠄃はひの中なかに坐ざせり 7 また王わう大臣だいじんとともに命めいをくだしてニネベ中ぢゆうに宣ふれしめて曰いはく人ひとも畜けものも牛うしも羊ひつじもともに何なにをも味あじはふべからず 又󠄂また物ものをくらひ水みづを飮のむべからず 8 人ひとも畜けものも麻󠄃布あさぬのをまとひ只管ひたすら神かみに呼よばはり且かつおのおの其その惡あしき途󠄃みちおよび其その手てに作なす邪󠄅惡よこしまを離はなるべし 9 或あるひは神かみその聖󠄃旨みこころをかへて悔くい其その烈はげしき怒いかりを息やめてわれらを滅亡ほろぼさざらん 誰たれかその然しからざるを知しらんや 10 神かみかれらの爲なすところをかんがみ其そのあしき途󠄃みちを離はなるるを見みそなはし彼等かれらになさんと言いひし所󠄃ところの災禍わざはひを悔くいて之これをなしたまはざりき〘1183㌻〙

第4章

1 ヨナこの事ことを甚はなはだ惡あししとして烈はげしく怒いかり 2 ヱホバに祈いのりて曰いひけるはヱホバよ我われなほ本國くににありし時とき斯かくあらんと曰いひしに非あらずや さればこそ前󠄃さきにタルシシへ逃󠄄のがれたるなれ 其そは我われなんぢは矜恤めぐみある神かみ 憐憫あはれみあり 怒いかること遲󠄃おそく慈悲じひ深ふかくして災禍わざはひを悔くいたまふものなりと知しればなり 3 ヱホバよ願ねがはくは今いまわが命いのちを取とりたまへ 其そは生いくることよりも死しぬるかた我われに善よければなり 4 ヱホバ曰いひたまひけるは汝なんぢの怒いかる事こといかで宜よろしからんや 5 ヨナは邑まちより出いでてその東ひがしの方かたに居をり己おのが爲ために其處そこに一ひとつの小屋こやをしつらひその蔭かげの下したに坐ざして府まちの如何いかに成󠄃なり行ゆくかを見みる
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6 ヱホバ神かみ瓢ひさごを備そなへこれをして發生はえてヨナの上うへを覆󠄄おほはしめたり こはヨナの首かうべの爲ために庇蔭かげをまうけてその憂うれひを慰なぐさめんが爲ためなりき ヨナはこの瓢ひさごの木きによりて甚はなはだ喜よろこべり 7 されど神かみあくる日ひの夜明よあけに虫むしをそなへて其そのひさごを噛かませたまひければ瓢ひさごは枯かれたり 8 かくて日ひの出いでし時とき神かみ暑あつき東風ひがしかぜを備そなへ給たまひ又󠄂また日ひヨナの首かうべを照てらしければ彼かれよわりて心こゝろの中うちに死しぬることを願ねがひて言いふ 生いくることよりも死しぬるかた我われに善よし 9 神かみまたヨナに曰いひたまひけるは瓢ひさごの爲ために汝なんぢのいかる事こといかで宜よろしからんや 彼かれ曰いひけるはわれ怒いかりて死しぬるともよろし 10 ヱホバ曰いひたまひけるは汝なんぢは勞らうをくはへず生育そだてざる此この一夜いちやに生しやうじて一夜いちやに亡ほろびし瓢ひさごを惜をしめり 11 まして十二萬まん餘あまりの右左みぎひだりを辨わきまへざる者ものと許多あまたの家畜けものとあるこの大おほいなる府まちニネベをわれ惜をしまざらんや〘1184㌻〙
 1547㌻